面白かったですね。
まさかあんな形でハミルトンがリタイアするとは。
さすがF1、なんだかんだで筋書きのないドラマを見せてくれますなあ。
これで、ハミルトン、アロンソ、ライコネンの三つ巴のチャンピオン争い。
歴史を紐解けば、1986年にマンセル、ピケ、プロストが最終戦までもつれ込んで以来とか。
さすがにこれはリアルタイムで知らないけど、そうそうたる顔ぶれですなあ。
当時、ピケとプロストはすでにチャンピオン経験者で、マンセルは、長い下積みからようやくのし上がってきたところ。そりゃあスリリングな最終戦だったでしょう。じっさいかなり劇的なレースだったらしいし。
それから比べると、今の3人はどうしても少し小粒に見えるけど、それは時間のマジックで、きっと数年後には語り草になるシーズンになるでしょうなあ。
でも、これがライコネンでなくシューマッハだったら、もっとドキドキしたかも。詮無い想像だけど。
ここまできたら最終戦、誰が勝っても構わないけど、最後の最後までライコネンには優勝争いをしてほしい。86年、最終戦で6ポイント差をひっくり返したプロストのように、7点差をはね返す勢いのレースをしてほしい。そんな歴史の一瞬を見たい。
そんなこんなで、久しぶりに古いビデオをあさって、昔のレースを見返したくなった。
ちゃんと整理されてないビデオテープを物色しながら、取り出してきたのは2つのレース。
1992年ベルギーGP。
そう、記念すべきシューマッハ初勝利のレース。雨が降ったりやんだりのスパウェザーの中、安全策を取り慎重にタイヤ交換をする、当時最強だったウィリアムズのマンセルとパトレーゼ、一発逆転を狙って敢えてタイヤ交換をせず雨の中スリックで走り続けるセナ。
油の乗り切った先輩を尻目にデビュー1年目のシューマッハは的確なタイミングでタイヤ交換をすませ、気がつけばトップを快走。結局ウィリアムズ2台を従えての堂々たる実力で勝ち取った初優勝。その後のシューマッハースタイルをすでに感じさせていたのが面白かった。
もう1本は、1994年オーストラリアGP。
そう、シューマッハが初めてのチャンピオンを決めたレース。この年の第3戦サンマリノでセナが事故死し、大混乱の中、デイモン・ヒルにわずか1ポイントのリードで迎えた最終戦。
スタートで飛び出したシューマッハにぴたりと追走するヒル。路面の荒れる市街地コース。コースを飛び出しリタイアする車が続出。
逃げ切れないシューマッハに追いつめきれないヒル。緊迫したレース展開の中、ついにコースアウトするシューマッハ、そのインをつくヒル、思わずドアを閉めるシューマッハ、激しくぶつかる2台の車・・・
いやあ、劇的ですねえ。これも実にシューマッハらしいチャンピオンの取り方。
そして、勝ちを拾ったのがスポットで復帰してきたマンセルというおまけ付き。
表彰台ではしゃぐマンセルとベルガーがお茶目です。やっぱり千両役者ですよ。
あと、92年までは、マシンがボトミングするたびにパパッと火花をあげるシーンが何回もあって、あれがカッコよかったんですよね。