白人の歌うブラックミュージックが好きだ。
ブルースでもソウルでもジャズでも。
歌から、‘理想に近づきたい’という強い意志を感じるから。
ビートルズもストーンズも、クラプトンもジャニスもダリル・ホールも、そしてホリー・コールも。
ジャズのサウンド自体は好きだけど、ハマるというほどではない。うまい人の歌を聴いても、上手いなあと思うだけで、あまりそれ以上深入りすることはない。
ただふたり、ヘレン・メリルとホリー・コールを除いて。
このふたりのアルバムだけは、1曲のさわりを聞いただけでCDを買いたいと思った。
ネイティヴの(つまり黒人の)シンガーが、天性の資質をフルに使って華麗にダイナミックに天衣無縫に歌い上げるのとは少し違い、ふたりとも、真摯にメロディーや歌詞に向かい合ってる感じがして、ね。
なんていうか‘客観的な視点’が歌にある気がするんだな。漠然とだけど、
で、今久しぶりにホリー・コールを聞いてます。夜にぴったり。
調べたら、ホリー・コールってデビューが決まってレコーディング直前に、自動車事故でアゴの骨を粉砕骨折したんだって。
それでも希望を失わず、固定された動かないアゴのままで、腹式呼吸の練習をしたそうな。
その辺のエピソードが、
ここに公開されています。
最後のメッセージがいいやね。
Don't make the safe choice
「失敗を恐れず、リスクを負うこと。もしも道を誤ったら、そこからまた始めればいい。安全な道ばかりを選べば、あなたはそれ以上先へは進めないわ」
そもそも僕がホリー・コールに惹かれたのは、彼女も参加していたビートルズのカヴァーアルバムを聞いてから。
はっきり言ってビートルズのカヴァー企画にロクなテイクはないんだけど、彼女の歌う「I've Just Seen A Face」は本当によかった。ああ、こんないい歌だったんだって再認識したもの。詩とメロディーをちゃんと理解しているカヴァーだった。彼女が歌うスタンダードやポップスのカヴァーは、ほんとにハズレがないです。