ジュリーのシングルを振り返えるPART 2は、70年代のあの大ヒット曲から。
80年代編は
こちら
ちなみに僕がジュリーをカバーする「ジュリーナイト3」は6月19日です。
勝手にしやがれ
1977年5月リリース。
説明不要ですね。前年の様々なトラブルから一転、一気に栄光をつかんだ大ヒットナンバー。歌詞、メロディー、アレンジ、振り付け、衣装、歌・・・とにかく何から何まで完璧に揃った、カッコいいヒット曲。特にあのイントロ。神が降りてきたとしか思えない。
Memories
実はここでこんな曲がリリースされていたんですね。全編英語詞だけどオリジナル曲。次の「憎みきれない〜」の1ヶ月前にリリースされているので、やっぱりイレギュラーな企画ものだったんだろうけど、実は通算20作目と言う節目の曲でもある。なぜにこの曲でかは不明。いや、曲そのものは、アレンジとかとってもカッコいいけど、絶対売れないし、実際売れてない。うーん、謎。
憎みきれないろくでなし
キャッチーだけど、実はメロディーとかアレンジとかとっても斬新なロックンロール。音数がとても少なくて、7割くらい、コード楽器が入らずリフだけで成立させてる。正直、この曲で男性ファンは一気に増えたと思う。子供心に「男の歌だ」と思ったもの。
サムライ
で、これですよ。そりゃあシビれますよ。男なら一度はこんな台詞吐きたいですよ。もともと歌謡曲は「フィクションを描く」ことが醍醐味で、その一点で当時台頭してきたニューミュージック勢とも張り合ってたわけですが、フィクションを成立させるにはスターの力が必要なのだと再認識させる名曲。阿久悠も大野克夫も本気です。
ちなみにB面は
「あなたに今夜はワインをふりかけ」。CMにも使われてて、たまにテレビでも歌ってて、両A面と言えるくらい結構メジャーな曲。サビのキャッチーさのわりにAメロがわかりにくいかな。その辺でA面から外れたのかも。
ダーリング
で、これ。ここまでの流れの中にあって、当時僕はこの曲キライでした。だって、なんか軟派な曲やん。女性を‘あなた’と呼ぶのも嫌いだった。小学生の僕は硬派だったのです。でも今では数少ない僕のカラオケのレパートリー。盛り上がる、よくできた曲ですよ。女性を‘あなた’と呼ぶのにも、もう抵抗はないです。
ヤマトより愛をこめて
言わずと知れた、映画版「宇宙戦艦ヤマト」の主題歌。リリースが、次作「LOVE」のこれまた1ヶ月前で、やっぱりイレギュラーだったんでしょうね。ジュリーサイドとしては、それほど期待もしていなかったのでしょう。テレビでも、ベストテンにランクインしたときしか歌われず、その時でも、「次の曲に期待してください」とジュリー本人が言ってたくらい。でも曲は名曲。アレンジがちょっと地味かなあ。品があっていいけど。
LOVE(抱きしめたい)
こちらは、ジュリーが本気でレコード大賞を狙いにいった大作。歌詞、メロディー、アレンジ、衣装、パフォーマンスともに気合いが入ってます。でも、あまり気合いを入れすぎると空回りをするというのもよくある話で、期待ほどのヒットにはならず。ちょっと重いというか、トウーマッチな感じがして、あまり何度も聞ける感じではなかった。ジュリーならではの「粋」さがない気がして。ちょっと演歌っぽいというか。でも、カラオケで一度歌った時、女性のウケがよくてびっくりした。こういう‘許されぬ恋’って、やっぱりみなさん好きなんでしょうか。
カサブランカ・ダンディ
1979年年明け第1弾はこれ。やっぱりこれですよ、ジュリーの魅力は。粋でカッコいいロックな歌謡曲。聞いた瞬間から覚えて、毎日口ずさんでた。アレンジもカッコいいねえ。随分経って、たぶん1985年くらいに、ジュリーがテレビで久しぶりにこの曲を歌ってて、ギターが井上尭之だったんだけど、やっぱりカッコよかった。大人になればなるほどカッコいい曲です。
OH!ギャル
さて、この曲。なんでこうなるのかな。当時も嫌いだったし、今も、何から何まで大嫌いな曲。前作の反動で、女性ファンに目配せしようとしたのかしらん。何かで、ジュリー本人もこの曲が嫌いだと言っていて、ちょっとひと安心。
ロンリー・ウルフ
さて、問題作です。こうして眺めると、来るべき80年代に向けて、ジュリーとスタッフはかなり試行錯誤してたんでしょうね。初めてラジオで聞いた時、なんちゅう地味な曲や、と思ったし、売れないと思った。実際、一気にベストテン入りを逃すほど売れなかった。だがしかし、今あらためて聞くと、とてもいい曲なのです。「勝手にしやがれ」のアナザーサイドみたいな感じで、世界観とか、アレンジとか、さらには歌もかなりの完成度。曲そのものとしては文句なし。もしこれがB面だったら、そのシングルはとても贅沢な1枚として愛されたと思う。
この時点で、ジュリーの先行きはとても不安でした。一気に人気が下降線を辿ってもおかしくなかった。しかしそこはそれ、スーパースター。次作「TOKIO」で一気に巻き返すわけです。
続きは
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