fm GIGで、4月から「ヒットtheビート」という番組を始め、ずっとビートルズを特集している。
ミュージシャンという立場からすれば、何をいまさらビートルズ、ほとんど語り尽くされとるやん、との声も聞こえて当然で、正直、気恥ずかしい気持ちもしないでもない。
でも、一般的には案外と「ビートルズって、イエスタデイとレットイットビーくらいしか知らない」などという状況だったりもするんですな。で、今さら人にも聞けないし、みたいな人が予想以上に多かったりして。いや、そんなもんですよ、実際。恥ずかしがることはないです。
どんな簡単なことでも、教えてもらわなきゃ知りようがないもの、ね。
初期から順番に、ジョンとポールとで曲を分けながら紹介して、現在はVol.5で中期の傑作「Revolver」をオンエアー中。個人的には彼らの最高傑作だと思ってる。
詳しくは
番組日記をご覧いただくとして、個人的にこのアルバムの中で一番衝撃を受けたのは「Eleanor Rigby」。
ストリングスアンサンブルだけで歌うというアレンジの美しさもさることながら、この曲、コードがEmとCのみ。なのにこのドラマティックな展開。
僕は曲を作る時、コードから先に固めていくので、ついついコードにメロディーが縛られそうになるけど、その時にね、この曲のことを思い浮かべて、メロディーに集中するような時もある。
逆に先にメロディーが出来た時も、無理にメロディーの流れにコードを合わせる必要もないのさね。
後にコード理論とか勉強した時に、テンションという概念もこの曲のおかげで理解しやすくなったといえば、ちょっと大げさかな。
「Here, There And Everywhere」は、ヴァースで一発B♭を挟んでおいて、サビの転調の伏線にしているのがニクい。たぶん、ポールは無意識にやったんだろうけど。
そのサビに出てくる、半音階のギターのカウンターラインも、別になくても問題ないはずなのに、なくてはならないフレーズになっているのが、彼らのアレンジセンスの天才的な部分ですな。
同じように「Got To Get You Into My Life」も、ブラスセクションのラインも込みでメロディーになっていて、どういう制作過程であの曲が完成していったのか(ジョージ・マーティンはどの程度まで関与しているのか)興味があるなあ。ギターだけで歌うと、どうしても未完成な曲に聞こえるものね。