京都発・胸を撃つネオ・ニューミュージック、冴沢鐘己の気まぐれな日々
by Showky
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ビバ!歌謡曲その1〜沢田研二シングルレビューVol.2
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2.危険なふたり('73発売。最高位1位)
ソロデビュー後、初の1位を獲得した大ヒット曲。「許されない愛」の悲壮感から一転、50'sっぽい軽快なノリが印象的だが、相手の女性はやっぱり年上。
‘今日までふたりは 恋という名の
旅をしてきたと言えるあなたは
年上のひと 美しすぎる
ああ、ああ、それでも愛してるのに’
どうですか、この歌詞。この当時のジュリーは万人が認める美少年で(今ならタッキーか山下智久あたりかな)、そんなかわいい男の子に、甘い声でこう言われたら、そりゃあ女性はたまらんでしょうなあ。
でも僕はこの曲、あんまり好きではなかった。もともと50'sも好きではなかったし、あまりにもナンパだし、ね。でもほんと、曲はとってもキャッチーで仕掛けもいっぱい。ヒットするのも当然で、今でもカラオケで歌うと盛り上がるんだな。アレンジをもう少しハードにすれば、ロックバンドでカバーすることも可能だと思う。7点。
3.追憶('74発売。最高位1位)
この頃のジュリーは1年ごとにコンセプトを決めていたようで、72年は悲壮感あふれる純愛、73年はポップな恋の駆け引き、そして74年はハーレクイン・ロマンス!
‘小雨降れば ひとり待つニーナ
なにも聞かず 読みかけの本を
捨てて抱き合った おまえの肌
ニーナ 素顔がきれいだ
夜の風を怖がった ニーナ
ひとつ明かり残し あの部屋で
おまえの気持ちは甘く くずれ
ニーナ 泣いたよ
オー ニーナ 忘れられない
許して尽くして そばにいて
オー ニーナ
もし今ならおまえを二度とは
悲しませない オー ニーナ’
どうですか、この歌詞。いきなりニーナですぜ、だんな。何人で舞台はどこやねん、ちゅう話ですわ。メロディーも壮大で、アレンジもダイナミクスレンジが大きく、まさにドラマティック。宝塚歌劇で使われても、なんの違和感もない大きな曲を、ジュリーは色気たっぷりに歌ってて、当然のように1位を獲得。1ヶ月後に西城秀樹が「傷だらけのローラ」をリリースしたのも興味深い符号ですな。どっちの曲も、ギャグすれすれの荒唐無稽さだけど、シンガーのアーティストパワーでぎりぎりのリアリティーを保ってます。まさにスターの証。ちなみにこの後ジュリーは、イギリスとフランスでもリリースしてます(フランスではそこそこヒットしたらしい)。
これ、今ならGacktやhydeが歌えば面白いかも。ミッチーでは軽すぎるかな。
当時の歌謡曲としては珍しく、リフレインで大掛かりな転調をかましているのも、制作スタッフの意気込みを感じさせます。7点。
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